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2018年7月29日

 東日本大震災いわき市板倉構法仮設住宅解体再利用

カテゴリー: 設計について

2011年福島県いわき市に建設された板倉構法応急仮設住宅が使用期間を終えたのを期に、見学会が7月19日にありました。

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現在、日本板倉建築協会では解体後の再利用計画を進めています。7年間使用した内部の状態や、再利用のために先行して始まっている解体工事の様子を協会会員に公開しました。

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外壁の無垢の杉板は、7年間風雨に洗われグレーに変色が始まっています。もう少し年月が経つと、無垢板ですから全体が落ち着いた自然のグレー色となり昔の民家の風格が出てきますが、まだ途中の段階です。

しかし、外壁を剥がすとその下の竪木摺りと板倉の厚板壁はまだまだ新品のような色合いです。

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外壁を再利用のため丁寧に1枚ずつ剥がしています。表側は、グレー色になっていますが裏側はまったく新品同様です。

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屋根の野地板を一枚ずつ剥がすと、断熱材として入れていた萱が現れます。床の無垢の厚板を剥がすと、こちらも断熱材として入れていた籾殻がきれいな状態で出てきます。仮設住宅といっても全て自然素材だけで造っています。無垢板は湿気の吸放出を妨げないので、このようにまったく健全な状態が保たれるのだと思います。

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解体材は柱・梁、厚板、外壁、屋根鋼板、樋など再利用できるものは、きちんと梱包されていきます。

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解体前の住宅の内部です。無垢の杉板はまったく綺麗で再利用に問題ありません。ロフトも天井高があり大人が立っても余裕があります。

また、部材の放射線測定も行われセシウム137,134合算濃度は基準値以下となっています。

日本板倉建築協会ではこれらの仮設住宅の払い下げ利用希望を受け付けています。板倉構法の特徴のひとつに、解体移築再利用が簡単なことがあります。住宅建設を検討中の方は、是非、板倉住宅の再利用をご検討ください。払い下げ希望の方はご連絡ください。