標高700Mを超える丘の上、松本平を見下ろす眺めのよい敷地に建つ信州カラマツの板倉の家です。冬は薪ストーブで暖をとる自然なぬくもりのある家、夏は気持ちよく風が抜けていく家。家族仲良く健康で心地よく暮らせる家。気がつくと、近所の子供が縁側から遊びに来ているような開放的な家。それが建て主の要望でした。
そこで、もともと蓄熱・断熱のよい板倉の家を厚い木質断熱材で包み、開口部も寒冷地用サッシュとし、さらに簡易な循環ダクトファンで建物内の上下温度差を解消するなど万全の寒さ対策をしています。その甲斐あって信州の寒い冬でも、小さな薪ストーブひとつで家中暖かく過ごせる板倉の家に喜んでおられます。
引分けの木製サッシュを開けると広間と一体になる日当たりのよい広いテラスが特徴です。冬の陽射しが室内まで届くように、一部をトップライトにしたテラスには、端材で作ったブランコが吊るされ、近所の子供たちにもかっこうの遊び場となっています。
家のあちこちに子供たちの居場所が沢山ある、小さくても豊かで暖かな板倉の家です。
無塗装カラマツ竪羽目板と漆喰の白で明るく明快なコントラストの外観。テラスや子供たちの自転車置き場となる下屋が建物を囲み、親しみやすいスケールで人を招き入れる。
玄関ポーチから広いテラスを見る。テラス屋根は、一部分透明ガラス屋根として冬の陽射しを室内へ導く。端材で作ったブランコには、近所の子供たちも遊びに来る。
無垢の木のやさしい暖かさと清々しい香りあふれる室内。床も壁も天井も全て同じ無塗装のカラマツ厚板で仕上げている。
引分けの木製サッシュを開けると、テラスと一体となる。子供たちは庭からテラス、広間へと駆け巡る。
奥行き70cmの大きく使いやすいキッチンワークトップ。カラマツ3層ボードでの製作品。
子供たちが暴れまわっても、おもちゃをぶつけて傷つけても、無垢の木はしっかり受け止めてくれる。無垢の木の傷跡はむしろ味わい深いものとなる。
2階のフリースペースには、長い作り付けの机があり子供たちが並んで勉強できる。右側の小さく急な階段を上るとロフト。
寝室の出窓に腰かけ、遠くの山々を眺めながらビールを飲むのが、ご主人の楽しみ。