遠く北アルプスも眺められる田園風景の中、陽当りがよく眺望も開けた新しい造成地の一角に建つ住宅です。この家は板倉構法ではなく一般的な在来工法ですが、無塗装カラマツ縦羽目板外壁のコンパクトな木の家です。屋根の小屋組みは登り梁構造としています。桁行面の外壁高さを低くし、総2階建てでも好ましい外観プロポーションでロフトのような楽しい2階となっています。
外壁は、いつものようにカラマツ竪羽目板目板打ち。水に強く長野県の気候に合ったカラマツ無垢板を無塗装のまま使っています。無塗装でも塗装したように美しい色艶です。これを長持ちさせるには、やはり軒を大きく出して風雨から護ることが必要です。そうすれば徐々に徐々に少しづつゆっくりとその土地の環境に馴染んだ表情に変化していきます。その土地の自然に染め上げられ、時を刻んでその土地の自然の一部となっていく、本物の木の家です。
玄関を入ると庭に繋がる厚板の板土間があります。やんちゃな男の子たちの泥で汚れた服をここで脱がせて下洗い。外と内との中間で色々使える便利な土間空間です。内装は、針葉樹合板なので多少汚れや傷をつけても気になりません。
キッチンと繋がった広間は、大きなテラス窓から明るい田園風景が飛び込んできます。テラス窓の上は2階と妻がる小さな吹抜け。2階の子供たちの気配も飛び込んできます。
土間から直接入れる大工さん手作りのキッチン。コンパクトですが必要十分。
実験用シンクを使ったシンプルな洗面室。針葉樹合板の内装ですが、水撥ねしそうなところには透明の耐水塗料を塗っています。
2階の吹き抜けに面した子供たちの造り付け勉強机。
2階のロフトのような子供部屋。子供たちが成長したら各部屋に仕切りますが、今はみんなでガヤガヤ使います。
寝室も半ロフトのようで空間の重心が低く落ち着きます。。登り梁構造で生活に支障のない範囲で2階の階高を低くしています。構造材や外壁面積が節約でき、外壁からの熱損失も少なくなり一石2丁。