2008年竣工。建て主は、海外で生活されていた時期もある方で、自然の中で、木に囲まれたのびやかな空間をご希望でした。普段は夫婦二人暮しですが、夏にはお子さんたち家族が大勢集まり、時には10人以上宿泊されることもあるとのことで、家への出入りのしやすさ、リビングのすごしやすさには気を配りました。特に、手斧ではつった存在感あふれる曲がり材が頭上を横切っているリビングの居心地は格別だと思います。梁の上の小壁を一部抜くことによって、風の通り道を確保していあるので、夏も快適にすごせます。
暖房に灯油は使いたくないとの希望から、薪ストーブを採用しています。薪の手配やストーブの世話が大変になるかもと考え、念のためFFもつけることができるようにしてありますが、断熱がきちんと効いているので、今のところ使われていないようです。
別荘地の森の景観に融け込むような外観の木の家です。
斜面に建っているので、南面開口部の基礎が高くなっていいます。その分、テラスが森の中空に浮いている感じになって、気持ちがいいのです。
日が燦々と降り注ぐテラス。外にリビングがもうひとつあるような感覚で使っていただいています。


普段はご夫婦二人の暮らしですが、娘さん、お孫さん達が大勢集まることもあるので、玄関は広くとりました。式台は耳付きのケヤキの一枚板です。小屋裏まであらわしになったリビングは、太い丸太梁、手斧ではつった登り梁などが重なり合い、大木の下に守られて暮らしているいるような安心感があります。
キッチン側からテラス方向を見た1階の板の間の全景。食堂、リビング、テラスとひと続きになっていて、大人数になってもゆったりと過ごすことができます。左手の襖の向こうは和室の続き間になっています。
和室。右手の壁をご覧いただくと「板倉」工法の落とし込み板壁の様子が分かるかと思います。厚板で、構造的にも耐震要素となり、断熱性にもすぐれています。畳は縁のないものにして、スッキリと仕上げました。欄間と襖はご実家で使っていたもの。地窓をとったり、襖の丈夫を障子にしたりと、採光に留意しました。
お風呂場の床は簀の子状にすることで、冬でも足あたりが冷たくなく、かつ水切れをよくしました。
リビングからキッチン方向を見たところ。小壁を一部抜くことで、通風や、暖気の循環をはかっています。
2階にあがったところが、屋根裏風のベッドスペースです。あえて部屋として仕切ることはせず、開放的な空間にしました。ベッドの頭側に障子窓があり、朝の目覚めが気持ちいいのです。
家を北東側から見たところ。金属板の葺き方を変えて屋根に表情をつけています。下に部屋のあるところは屋根に断熱材が入っているため一段高く。軒部分は重さを軽くするため、そして軽快な印象となるよう薄くシャープに葺いています。北側には、薪のストックも。なるべく自然なエネルギーで暮らしたいという建て主さんのご希望を実現することができました。