信州の中央部、白樺湖の近くの標高1300mの別荘地に建つ板倉の家です。一年中利用したい、という希望から信州の寒い冬でも不自由なく暮らせるように、建物形態や室内温熱環境に気を配って設計されています。1m近い雪が積もるところなので、屋根の雪がすぐ落ちるように勾配が急でシンプルな山形形状の切り妻屋根です。雪が落ちてこない面に入り口玄関やテラスを設け、冬の利用をしやすくしています。春夏秋の気候のよいときには2層の大きなテラスに出て、周りの緑を満喫できます。
暖房は大きな薪ストーブと石油FF暖房機で暖かく、厚い木質断熱材を外断熱として板倉の外壁に取りつけています。居間は大きな吹き抜けになっているので、吹抜上部にたまった暖気を、ダクトで吸い込み床下に吹く簡易床暖房機能を組み込み寒い冬でも快適に過ごせるようにしています。
東側外観:濃密な自然環境の中に、シンプルで力強い造形ながら調和しながら静かにたたずむ。
2層の大きなテラス:上のテラスでは、新緑の季節には木々の緑が飛び込んでくる。
テラスは道路に面しているが、細かい木製格子によって視線がカットされプライバシーが守られる。
居間の大きな吹抜け:天然カラマツの大黒柱と、赤松の丸太等で丈夫な骨組となっている。壁はもちろんカラマツ厚板による板倉壁。
2階吹抜け周り:飾り棚のあるアルコープからテラスに出られる。素材はすべて、無垢の木と漆喰のみ。シックハウスと無縁の空間。
ロフトから吹き抜けを見る。
キッチン前から居間を見る。右側は小上がりの和室で掘りコタツがある。丈夫な木組みのメリハリのある空間。
キッチンは無垢の木で製作されたもの。既成のシステムキッチンと同じ機能。
洗面室:洗面ボウルは、秋田で焼かれた奈良岡焼。無垢板の洗面台とともに存在感がある。