2023年12月17日
小さくても豊かな板倉小屋
カテゴリー: 設計について
長閑な田園風景の中、古くからある蔵や納屋と並んで違和感なく周辺環境になじんだ小さな板倉小屋が見えます。6月にお知らせした「板倉の小屋」がお施主さんの工事もほぼ終わりかわいい姿を現しました。
お施主さんセルフビルドのテラスが付き楽しそうな暮らしが見えてきます。
家は小さいけれど充実のエコ設備満載。太陽光パネルはもちろん太陽熱温水器、薪ストーブや灯油併燃薪ボイラ―などをお施主さん工事で装備。しかも、建物は全て自然素材のみでできています。建物本体はもちろん板倉構法で無垢の木材のみ。断熱材も杉板と籾殻を使い、新建材や化学物質は無。将来産業廃棄物となるような素材は極力使わない建築。断熱材が自然素材の為、断熱性能は多少落ちますが居住用エネルギー源が太陽光とバイオマスである木材のみの為、地球に負荷を掛けません。「断熱性能が多少落ちる」と言っても板倉構法の為、温熱計算で扱わない蓄熱性が現代の一般在来工法に比べ非常に大きいので、実用上・感覚的にはこちらの方が温かい。
内部も、杉等の無垢の木材のみ。暖かく清々しく思わず深呼吸したくなり心から安らぎます。3間角の平面にキッチンと水廻り、ロフトが余裕の空間となり狭さを感じさせません。キッチンセットは既製品を使いコスパを追求、必要十分なものに。
薪で沸かす懐かしいステンレス浴槽のある浴室。内装もサワラ無垢材で暖かく、特に床スノコはヒバ厚板で裸足でも冷たくありません。
夕方になると、お施主さん手作りのテラス照明がほんのり温かく人を迎え入れてくれます。