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2022年7月29日

板倉の家 上棟

カテゴリー: 設計について

板倉構法の家の建て方が始まりました。

土台を敷き柱を建て1階の壁をほぼ落し終えたところです。床の断熱材もすでに敷きこまれています。真ん中の紙で養生された太い通し柱が、家の構造の中心となる大黒柱です。柱や梁、壁の落し板等すべてが無垢の地域材カラマツです。

この家は緩やかな傾斜地に建つので、その傾斜に合わせ手前の部屋部分の床を一段下げたスキップフロアの構成となっています。

床の梁を組み管柱を建て壁の厚板を柱の溝に落とし込んでいきます。壁の厚板は1寸厚(3cm)の無垢材です。ここでは、厚板を4~5枚縦につなぎパネル化したものを落し入れて、1枚ずつ落すよりもスピードアップしています。

床や屋根も同じ無垢の厚板を使って貼ります。同じ規格の厚板を壁や床・屋根等に大量に使うので、材料の種類が減り材料生産と現場施工の効率が上がります。材料の無駄もなくなり無垢材の家としてはコストダウンができます。

厚板を様々に使いまわすことにより細かい下地が不要となり、現しの構造体となるので太い柱・梁だけで家を構成でき、増改築や解体移築も容易となります。

数十年、半世紀後であってもこの家の材料は無駄にならず次の時代に引き継ぐことができ、最後の最後には地球環境を汚すことなく土に還っていきます。

もちろんシックハウスとは無縁で新建材にはない調湿作用が充分働くので、住み心地は抜群。地球にも住まい手にも優しい板倉の家です。