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2023年6月9日

板倉の小屋 完成

カテゴリー: 設計について

コンパクトな板倉の家が完成します。3間角の正方形平面にロフトが付いた小さな小屋的建築です。これからお施主さんが、薪ストーブやテラス、下屋の囲い等セルフビルドで完成させます。

小さいけれど水廻りは全てそろっていて、特にお風呂は太陽熱温水器と灯油併燃薪焚きのボイラーでエコ装備完備。健康的な毎日の暮らしが見えてきそうです。勿論板倉建築で、全て無垢の木で骨格を造っています。さらに、この家は断熱材も自然素材のみ。床や屋根には断熱材として籾殻を入れ、壁には竪木摺を隙間なく貼り、新建材などの工業製品はほとんど使っていません。省エネ基準適合義務付け前の真の健康住宅。自然素材の無垢板や断熱材は、熱伝導率などの断熱計算の数値は低いものの、実際の住み心地は抜群、室温や湿度の変化が穏やかで人間の生理に合います。そして、建設中でも遠い将来朽ち果てても地球環境を汚すことはありません。

工事写真は屋根の断熱材(籾殻)を入れているところ。

室内は無垢の厚板に囲まれシックハウスとは無縁の清々しさ。木の香りに包まれて思わず深呼吸したくなります。浴室も内装は無垢板張りです。壁内には一般的な防水シートは使わず空気層を工夫しています。ステンレス浴槽に木製スノコで清潔、足も冷たくありません。

これから、この家もお施主さんと共に自然な暮らしに磨かれていくことでしょう。数十年後が楽しみな板倉の小屋です。